建築は、純粋幾何学への還元あるいは歴史的言語の
引用、参照といった形態の自律的展開に頼ることし
か方法がないことを断言することによって、硬直し
たモダニズムに終止符を打とうと戦ってきたが、未
だにモダニズムから抜け出せないでいるのが現状で
ある。近代建築がいかに独断的イデオロギーの固ま
りであったかがよく理解できる。一方、メディアと
仮想現実において、建築は「全体」でなくてはなら
ないし「現実」でなくてはならないし、「具体的場
」でなくてはならないはずであるが、現在の建築論
の中には、メディアが建築を完全に蒸発させ、消し
去るだろうという期待感、ないしはそうなってほい
うという希望さえも存在している。おそらく、その
ようなメディアの社会性や歴史性を読み解いていく
ことが、そのまま建築の社会的、歴史的な構成を読
み解いていくことにもなるのである。